顎口腔機能治療学教室

[ 編集者:歯学部・歯学研究科   2018年10月17日 更新 ]

“口腔機能の改善を目指して”
 口が受持つ3つの機能「話すこと・食べること・呼吸をすること」は、生きていくために必要不可欠な機能であるだけでなく、「人が人らしく生きる」ために大変重要な役割を担っています。顎口腔機能治療部では、この3大口腔機能の障害である、言語障害、摂食・嚥下障害、睡眠時無呼吸症に加え、これらの障害と関わりの深い口腔乾燥症や口腔機能障害に起因する低栄養に対する治療と臨床教育・研究を行っています。

スタッフ

職名 氏名 E-mail(@以下はdent.osaka-u.ac.jp)
教授 阪井 丘芳 sakai@
准教授 野原 幹司 nohara@
助教 田中 信和 n-tanaka@

言語障害

 歯科で診る言語障害は,口の中でことばの音をつくること(構音,いわゆる発音)が障害された構音障害です。舌や口唇の運動性が悪いと構音障害が出現します。また、軟口蓋の運動性が悪いと発音時に呼気が鼻腔へ漏出してしまい発音そのものが不明瞭になります。
言語障害の中でも口蓋裂の言語治療に関しては、当部設立以来、鼻咽腔閉鎖機能の生理学的な検討を行ってきました。それらに加え、現在は口蓋形成術の術後成績の形態的・機能的な検討や新しい口蓋裂治療を行うために、遺伝学的なアプローチを開始し、胎生期から口蓋裂発生を制御することができるように基礎研究を行っています。

摂食・嚥下障害

 摂食・嚥下とは、①食べ物を認識して口に取り込み②口の中で食べ物を飲み込みやすい形にして③口からのどへ④のどから食道へ⑤食道から胃へ送り込む一連の流れをいいます。その流れのいずれかが障害され、食べ物をスムーズに飲み込めなくなることを摂食・嚥下障害といいます。嚥下障害を生じると楽しいはずの食事が苦痛なものに変わってしまいます。また障害が重度になると、食事ができなくなったり、肺炎を引き起こすこともあります。当部では、摂食・嚥下機能の評価の一つとして,内視鏡を用いた食塊形成能の評価法の開発に取り組んでいます。食塊形成は誤嚥の有無に影響すると考えられており、この研究は口腔と誤嚥のミッシングリングをつなぐ研究として期待されています。また、VF(嚥下造影検査)を用いた嚥下動態の解析や大阪電気通信大学と共同で嚥下機能の廃用予防のための研究を行っています。

睡眠時無呼吸

 睡眠中に呼吸が止まることが多くなると、深い眠りができずに、寝起きが悪くなったり、日中につい居眠りをしてしまったりするという症状が出てきます。このような病気を睡眠時無呼吸症といいます。2004年より睡眠時無呼吸症候群の治療として口腔内装置(OA)が健康保険に導入されました。しかしながら、どのような症例にOAが適応であるか明らかにされていません。当部では,内視鏡を用いて、気道の解剖学的な変化を観察し、OAの適応症の診断を向上させる研究を行っています。また、国立循環器センターと共同で睡眠時無呼吸症候群の症例の呼気ガス分析を行い、OAによる治療効果の判定を非侵襲的に行う研究も開始しています。

口腔乾燥症

 口腔乾燥症(ドライマウス)は、唾液分泌量の低下だけでなく、口の乾きを自覚する症状を示します。現在日本には800万人もの潜在患者がいると推定されています。ドライマウス自体は病気ではありませんが、何らかの原因(薬剤の副作用、ストレス、老化、筋力低下、糖尿病、腎臓疾患、脳血管性障害、シェーグレン症候群など)で唾液が減少するために起こります。現在のところ、ドライマウスには根本的治療法は存在しないため、組織再生療法等の新しい治療法の開発が待たれています。現在、米国NIHと共同で唾液腺の再生をめざした分子機構を解析する研究を継続しています。

栄養歯科

 口は消化管の入り口です。咀嚼や嚥下が上手くいかなくなると栄養状態が悪くなります。栄養状態が悪くなると、体重が減るだけでなく、抵抗力が弱る、筋力が低下する、骨が折れやすくなる、傷の治りが悪くなるなどといった障害がでてきます。栄養状態が手術や病気の予後を左右することも明らかになってきました。大阪大学歯学部附属病院は、口腔腫瘍患者の手術件数が多い日本有数の施設です。その特殊性から、当部では、口腔腫瘍術後症例の栄養状態の指標となる臨床データを検討し、口腔腫瘍術後症例に特有の傾向について研究しています。

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