有床義歯補綴学・高齢者歯科学(顎顔面補綴学を含む。)

[ 編集者:歯学部・歯学研究科   2018年10月1日 更新 ]

対象(授業開始)

歯学部3年生

授業概要

 本授業科目においては、いわゆる有床義歯補綴学を専門領域とする立場から、部分床義歯補綴学、全部床義歯補綴学、インプラント補綴学、顎顔面補綴学、高齢者歯科学ならびにスポーツ歯科学を担当している。すなわち、部分的な歯の欠損から、無歯顎さらには顎顔面の欠損にいたるまでの広汎な領域にわたる解剖学的な欠損に対する修復再建と、その欠損によって生じた機能障害の改善方法について、さらにはそれがQOL に与える影響について基礎的ならびに臨床的な観点から教育を行っている。同時に加齢にともなう顎口腔系の形態や機能の変化についても理解し、これらに対する適切な診断と処置が行える基礎的ならびに臨床的知識を持つことができるよう、講義と模型実習・臨床見学ならびに臨床実習を通して教育している。

 また、当講座では上記の各項目に関する臨床的研究はもとより、生理学的、理工学的、解剖学的、生体力学的、生化学的など幅広い基礎的研究を行っており、その研究結果を講義に反映させている。

 歯の欠損により生じる形態的ならびに機能的な変化は、単に口腔内にとどまらず、顎関節や顔面頭蓋を含めた顎口腔系さらには全身の健康にも影響を及ぼすものである。その形態的ならびに機能的な変化は歯の欠損状態によっても異なり、その病態や修復方法に対しても差異を生じる。そこで、授業および実習内容もこれに応じて以下のような項目に分類する。

【1.部分床義歯補綴学】
 ここでは、歯の欠損による咀嚼機能障害と、その回復のための義歯を用いた治療計画、義歯と残存歯とが常に調和しながら機能するための要件、さらには義歯が安定した機能を果たすために残存歯に求める役割(支持、把持、維持)とそのための機構などについて解説する。また実習においては、義歯の製作過程を体験し、設計の基本原則の理解を助けるよう解説する。

【2.全部床義歯補綴学】
 ここでは、すべての歯が欠損した場合に生じる形態的な変化と、機能的な変化について理解できるようにするとともに、これを義歯で修復再建する場合にその維持と安定を確保するための基本的な考え方と製作方法について解説し、実習において体験する。また、全部床義歯によって再建される咬合と顎運動、咀嚼機能との関係について解説する。

【3.インプラント補綴学】
 インプラントを用いた欠損補綴には、従来の有床義歯を用いた補綴に比較して多くの利点があるとともに、注意を要する点も多くある。ここでは、インプラント補綴の基本的知識ならびに手技について解説するとともに、インプラントと有床義歯を組み合わせて使用することができるインプラントオーバーデンチャーの適応ならびに製作方法について解説し、模型実習を行う。またインプラントを用いたMI の概念についても解説する。

【4.高齢者歯科学】
 我が国は世界に類をみないスピードで超高齢社会を迎えており、歯科医療においても高齢者の身体的、精神的特徴をよく理解した上でその治療にあたる必要がある。ここでは、全身や顎口腔系の加齢に伴う変化、さらに口腔機能が高齢者のQuality of Life に及ぼす影響について概説する。高齢者の補綴治療については、全身や顎口腔系の加齢変化をよく理解した上で、それに応じた治療方針の立て方や臨床術式について解説する。
 また、学外体験実習として、特別養護老人ホームにおける歯科治療ならびに口腔ケアの見学、リハビリテーション病院における歯科治療ならびに多職種によるリハビリテーションの見学を実施している。

【5.顎顔面補綴学】
 ここでは、口蓋裂などの先天的、あるいは外傷や腫瘍等の後天的な原因によって生じた顎顔面の欠損と咀嚼、嚥下、発音に関する機能障害に対して、外観面や機能面、あるいは心理面を回復させ社会復帰を支援する補綴的治療方法について概説し、このような患者のADL とQOL を向上させるためのリハビリテーションについて解説する。

【6.スポーツ歯学】
 歯科補綴領域の技術を応用することにより、アスリートがより高いパフォーマンスを発揮したり、年齢を問わず安全にスポーツを楽しんだりするためのサポートを提供することが出来る。また、咬合と全身のバランスとの関係についても学ぶことができる。ここでは、スポーツにおける正しい噛み合わせの重要性や歯と顎骨を守るマウスガードの設計・製作方法について解説し、自分用のマウスガードの製作と装着を体験する。

学習目標

一般目標(GIO)

歯列や顎骨に欠損を有する患者に対する診断、治療、リハビリテーションを適切に行い、機能・外観の回復と維持を図れるようになるために、有床義歯補綴、インプラント補綴、高齢者歯科、顎顔面補綴、スポーツ歯科に関する基本的な知識、態度・習慣および技能を習得する。

行動目標(SBOs)

【1】歯の欠損にともなって生じる形態的、機能的な変化について説明する(想起)

【2】歯が欠損した患者の顎口腔系の解剖学的な構成ならびに生理学的なメカニズムを説明する
  (解釈)

【3】有床義歯の基本的な構成を説明する(想起)

【4】有床義歯の維持と安定に関与する生体側および義歯側の因子について説明する(想起)

【5】有床義歯の製作過程と、そこで用いる材料の特性について説明する(想起)

【6】有床義歯治療に関する基本的操作を実施する(技能)

【7】インプラントを用いた欠損補綴法と手技について説明する(想起)

【8】インプラントオーバーデンチャーに関する基本的操作を実施する(技能)

【9】加齢にともなう全身および顎口腔系の形態と機能の変化について説明する(解釈)

【10】高齢者の介護・リハビリテーションの現場を体験する(態度・習慣)

【11】要介護高齢者の口腔健康の重要性について説明する(想起)

【12】顎顔面の欠損による形態的、機能的障害とその対応策について説明する(解釈)

【13】顎口腔系における機能障害の実態とその診察、検査、診断、治療、および予防方法などに
  ついて説明する(想起)

【14】補綴装置を装着した後のメインテナンスの重要性について説明する(想起)

【15】スポーツや睡眠障害における歯科的アプローチについて説明する(想起)

【16】マウスガード製作に関する基本的操作を実施する(技能)

【17】歯の欠損による咀嚼・嚥下・構音障害の診断と治療法の選択について討議する(態度・習慣)

【18】歯の欠損による咀嚼・嚥下・構音障害の情報から問題点を抽出し治療計画を立案する
  (問題解決)

【19】有床義歯補綴治療を安全かつ正確に行い患者の恐怖や不快感を軽減する(態度・習慣)

【20】積極的に実習に取り組む(態度・習慣)

学習方略

No 行動目標
(SBOs)
種類 人的資源 物的資源 時期 時間
場所 媒体(メディア)
1 【1】~【5】【7】【9】【11】~【15】 講義 教員 講義室 パソコン、プロジェクタ 3年生後期-4年生後期  
2 【6】【8】【16】【19】【20】 模型実習 教員 実習室 ファントム模型 3年生後期-4年生後期  
3 【10】【11】 学外体験実習 教員 学外施設 4年生前期(夏季休暇中)    
4 【17】【18】 PBL 教員、学生 講義室 パソコン、プロジェクタ 4年生後期  
5 【1】~【5】【9】【13】【14】【18】 臨床実習 教員 セミナー室 症例模型、レントゲン、検査記録など 5年生前期  
6 【1】~【20】 臨床実習 教員、コ・デンタルスタッフ、患者 診療室   5年生後期-6年生前期  

詳細(KOANシラバス)

「準備中」

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