歯科麻酔学

[ 編集者:歯学部・歯学研究科   2018年10月1日 更新 ]

対象(授業開始)

歯学部4年生

授業概要

 歯科麻酔学には従来の全身麻酔学、局所麻酔学のみならず、精神鎮静法、全身疾患を有する患者の歯科治療時の全身管理学、ペインクリニック、救急蘇生法など多岐にわたる。

 全身麻酔学の理解のためには生理学、薬理学、解剖学等の基礎科目の知識が不可欠である。この観点から歯科麻酔学の最初には呼吸、循環、自律神経、内分泌・代謝等を中心とした生理学を、とりわけ臨床との兼ねあいを意識しながら理解する。循環に関しては生理学的知識の他に、臨床心臓病学との関連から心電図に関する基礎知識を理解し、心電図の診断演習を習得する。

 全身麻酔法では、全身状態評価を通じて麻酔管理上問題となる疾患とその対策に関して理解を深めることを第一の目標とする。加えて、麻酔前投薬や経口摂取制限の意義、全身麻酔薬、麻薬性鎮痛薬、筋弛緩薬等について臨床薬理学的知識を得るとともに、麻酔器や麻酔回路、麻酔に使用する器具等に精通する。また、各種麻酔法やその合併症、さらには歯科麻酔の特殊性等、周術期管理の知識を習得する。

 局所麻酔法に関しては、局所麻酔薬および血管収縮薬の薬理学知識を得た後、歯科臨床における局所麻酔法の技術に関する知識を習得する。特に三叉神経の走行についての解剖学的知識に基づいて伝達麻酔法の手技を理解する。局所麻酔の全身的および局所的合併症についても原因、対策、治療法を含めて理解する。また、歯科領域のペインクリニックへの応用も理解する。

 歯科治療時の不安、緊張、恐怖等の精神的ストレスを減じるための方法として精神鎮静法がある。特に、局所麻酔時の全身的合併症の予防法として、また内科的基礎疾患を有する患者の全身管理法のひとつとしての鎮静法の意義を理解する。

 近年、高齢化時代の到来と医学の進歩により、従来歯科治療を受けられなかったような全身的問題点を有する患者が、歯科を受診する機会が増加している。これらの患者の安全な全身管理法についての理解を深めることがこれから歯科医師にとって重要となっている。全身麻酔法で学んだ呼吸循環生理学の基礎知識の上に立って、患者評価の方法、患者のバイタルサインの見方、心電図を含むモニターの見方、鎮静法の応用法、局所麻酔薬の選択法等について理解を深める。

 歯科治療時の緊急事態の発生に備えて救急蘇生法を習得する。現在、歯学部附属病院で実施されている教育システムに基づいた一次および二次救急救命処置(BLS、ALS)を学ぶ。

 ペインクリニックについては局所麻酔法で得た知識に加えて、三叉神経痛や歯科治療に起因して発症する神経因性疼痛(ニューロパチックペイン)を中心にその概要を理解する。また、心身医学的アプローチ法や東洋医学的治療法についても学習する。

学習目標

一般目標(GIO)

安全で安心な歯科医療を行うために、全身麻酔、精神鎮静法、局所麻酔法および口腔顔面領域の疼痛治療に関する知識、態度および技能を習得する。

行動目標(SBOs)

【1】全身麻酔の概要および流れを説明する(想起)

【2】全身状態の評価法を説明する(想起)

【3】全身麻酔管理上問題となる疾患を説明する(想起)

【4】吸入麻酔法および静脈麻酔法を説明する(想起)

【5】筋弛緩薬を説明する(想起)

【6】術前、術中、術後管理法を説明する(想起)

【7】輸液および輸血を説明する(想起)

【8】小児、高齢者、障害者の麻酔を説明する(想起)

【9】局所麻酔薬の構造、作用機序および薬物動態を説明する(想起)

【10】局所麻酔薬に添加される血管収縮薬の臨床的意義を説明する(想起)

【11】局所麻酔法を実施する(技能)

【12】局所麻酔の合併症を判断する(問題解決)

【13】循環器の解剖および生理を説明する(想起)

【14】心電図を評価する(解釈)

【15】呼吸器の解剖および生理を説明する(想起)

【16】血液中のガス運搬を説明する(想起)

【17】呼吸の調節機構を説明する(想起)

【18】酸塩基平衡を説明する(想起)

【19】自律神経の解剖および生理を説明する(想起)

【20】笑気吸入鎮静法を実施する(技能)

【21】静脈内鎮静法を説明する(想起)

【22】歯科治療時の全身的偶発症を判断する(問題解決)

【23】バイタルサインを測定する(技能)

【24】救急救命処置を実施する(技能)

【25】疼痛治療を説明する(想起)

【26】東洋医学を説明する(想起)

【27】歯科麻酔診療を受ける患者の心理に配慮する(態度)

学習方略

No 行動目標
(SBOs)
種類 人的資源 物的資源 時期 時間
場所 媒体(メディア)
1 【1】~【10】【12】~【19】【21】【22】【25】【26】 講義 教員 講義室 教科書、プリント、パソコン、プロジェクタ 講義時 45
2 【11】【20】【23】 相互実習 教員、学生 実習室 教科書、プリント 臨床実習時 9
3 【24】 シミュレーション 教員、学生 実習室 蘇生人形、AED、パソコン、プロジェクタ、DVD 臨床実習時 3
4 【27】 臨床実習 教員、患者 外来、手術室 診療録、麻酔チャート 臨床実習時 14

詳細(KOANシラバス)

「準備中」

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