プロジェクトの紹介

[ 編集者:歯学部・歯学研究科   2019年9月13日 更新 ]

 このプロジェクトにおける「口の難病」とは「全身に基因する難病で、口にも疾患が現れる」、あるいは「一見ありふれているが、治りにくく、全身疾患のリスクになる」病気です。これらの難病を克服し、「誰もが生涯自分の歯で、口に関する疾患もなく豊かな生活をおくることができる」ことを目標として、6年間のプロジェクトが立ち上がりました。さらに「口の難病」の専門医を育成するマイスターコース(2年間)の設置も予定しています。

「口の難病」プロジェクトとは

「口の難病」プロジェクトとは

口腔内の異常を引き起こす遺伝子を突きとめる

口腔内の異常を引き起こす遺伝子を突きとめる

 口の病気はしばしば全身の病気と関わっています。例えば歯に異常がある人は、骨にも異常がある場合が多く、遺伝子が骨組織形成にどういう影響を与えているのかを解明することは重要です。一方、身近な病気である歯周病の中にも、重症の若い患者さんがいる侵襲性歯周炎という難病があり、治療法を見いだすためには、分子レベルで病態を解析し、疾患を引き起こす遺伝子を同定する必要があります。口腔科学フロンティアセンターは、こうした「口の難病」のしくみを解析し、病因、病態の解明にあたる基礎研究機関です。

解析、モデル化から、「予測歯科医学」という新領域へ

解析、モデル化から、「予測歯科医学」という新領域へ

 本プロジェクトでは大阪大学歯学研究科が進めてきた先端研究をベースに、研究部門の枠を越え問題解決に取り組んでいます。現在、医療機関にご協力をいただいて、難病の方のゲノムを含むパーソナルデータを集積し、データベース化を進めているところであり、今後はデータの解析結果に基づいて発症、進行、予後の予測モデルを作成し、実証実験を行って新たな治療法の開発につなげていきます。また個々の患者さんが、将来の発病のリスクを知ることで予防ができる「予測歯科医学」という新領域を開拓し、QOLの向上をめざします。

近未来歯科医療センター (歯学部附属病院)

近未来歯科医療センター (歯学部附属病院)

再生医療、先端医療の臨床研究拠点として

再生医療、先端医療の臨床研究拠点として

 当センターでは、「口の難病」をもつ患者さんのデータをもとに新しい治療法を開発し、口腔科学フロンティアセンターでの研究成果を臨床にフィードバックする「橋渡し研究」を進めます。また現在、口のトラブルも発症するマルファン症候群という全身疾患の患者さんに対し、国立循環器病センターの歯周病外来にて診察を行いつつ、共同研究を行い、病態の解明に取り組んでいます。再生医療に際しては、歯学部附属病院にあるCPC(セル・プロセシング・センター)などの先端設備を活用します。

世界に開かれた「口の難病」データベースを

世界に開かれた「口の難病」データベースを

 今回のプロジェクトにおいて、私たちは難病をもつ方のデータを数多く集積し、データベース化を行っています。ゲノムなどのパーソナルデータは医療界にとって、長期研究の継続性を支える貴重な財産。将来、このデータベースは学内外、国内外を問わず活用できる開かれた図書館のようにしたいと思っています。また、DNAの塩基配列におけるわずかな差異(SNPs)に着目し、「口の難病」の罹りやすさ等の個人差を分析することで、個々の患者さんの体質にあった薬の処方や治療を行うオーダーメイド医療を実現していきたいと考えています。

  • ホーム
  • ページトップ
  • 印刷
  • YouTube
  • 文字サイズ大

    文字サイズ中