教室からのメッセージ

 歯科生体材料学講座は、大阪大学歯学部設立時の初期6講座のひとつとして1951年に設置されました。現在は、従来からの歯科材料・器械に加えて、バイオマテリアルやバイオエンジニアリングの分野へも研究領域を拡大し、顎口腔機能の再建と回復のための新しい材料・技術の開発を日々進めています。

スタッフ

職名氏名E-mail(@以下はosaka-u.ac.jp)
教授今里 聡imazato.satoshi.dent@
准教授山口 哲yamaguchi.satoshi.dent@
講師佐々木 淳一 sasaki.junichi.dent@
助教北川 晴朗 kitagawa.haruaki.dent@

学部教育

 学部教育では、歯科医療で用いられる材料の物理的、化学的、生物学的特性および成形方法を学ぶことを目的とし、講義と実習を行います。講義内容は金属、高分子、セラミックスおよび複合材料の特性や成形方法、生体適合性などを対象とします。また、教科書では取り上げられていない新しい材料や器械のほか、組織工学やCAD/CAM関連システムなど最新の研究とその世界的動向についても学習します。

研究内容


 当歯科生体材料学講座では、次世代の歯科材料や新規の再生・組織工学技術の開発、コンピュータテクノロジーのバイオメカニクスへの応用など多岐にわたる研究を展開しています。

<主な研究テーマ>
1.次世代型先端的歯科材料の開発
   1)抗菌性や組織再生能を備えたバイオアクティブ材料の開発
   2)環境応答型および病態同調型”スマート”バイオアクティブ材料の開発
2.新規の組織工学・再生医療技術の開発
   1)三次元細胞集合体を用いた骨・歯髄再生技術の開発
   2)組織再生医療のための各種新規材料の開発
3.歯科材料のバイオメカニクス研究
   1)材料設計および修復・補綴・インプラント治療へのAIの応用
   2)In vitro/in silico複合解析による各種歯科材料の特性評価

 これらのテーマに関連して、国内外のさまざまな機関との共同研究も実施しています。また、大学院では、国際学会や英文論文での成果発表を通じて、国際的な情報発信スキルの向上を目指した教育を行っています。


抗菌性モノマーMDPBを配合した世界初の抗菌性接着システム

薬剤徐放のための非生体分解性ポリマー粒子
ヒト歯髄幹細胞で作製した三次元細胞集合体


インプラント埋入部位のCBCT画像(左)とAIが術式を判断するために注目した領域(右)