「歯や口」に関する情報のこと


2000年頃始まったカルテの電子化は一段落し、現在は医療情報プラットフォームの構築に電子カルテ情報が用いられるようになっています。この間、歯科医療における業務全般をデジタル化し、効率化することによって、働き方改革がなされてきました。今後は、蓄積するデータから新たな価値を生み出す段階に入ります。医療情報室では、現在いくつかのプロジェクトを平行して推進しており、情報科学技術の応用に関する研究を実践することにより、実社会の課題解決に取り組んでいます。より実効性を増すために産学官連携をし、「歯や口」に関する新規分野の開拓を行っています。情報から「歯や口」を診たい方々は、是非、お気軽に医療情報室にお越しください。

スタッフ

職名氏名E-mail(@以下はosaka-u.ac.jp)
准教授野崎 一徳nozaki.kazunori.dent@

研究の概要

1.電子カルテ
 患者様にとっては関わり合いのない部署に思えるかもしれません。しかし、歯科医師などの医療従事者が日々患者様への施術、投薬、検査内容などを記録する際に利用する電子カルテは、我々医療情報室が管理しています。電子カルテは歯科医師法や医療法に則って設計され構築されており、法的な拘束力が働くシステムです。医療情報室では本院業務課と連携し、国が定める電子カルテに関する制度に随時対応しながら、安全安心に患者様の情報を管理できるように細心の注意をはらっています。

2.情報システム開発
 一方で、本院は歯科専門の病院であり、国立大学法人としては数少ない病院のうちの一つです。このような立場から、歯科医療の抱える重大な課題をビックデータ・AIに代表される情報科学的見地からとらえ、最先端技術の研究開発につながるシステム導入を行うことで解決する取り組みを続けています。またそのために総合大学である利点を最大限活かしています。

3.産学連携と人材育成
 産学連携は、日進月歩の情報システム開発において必要不可欠であり、医療情報室でも積極的に取り組んでいます。特に歯科医療AIの開発に関しては活発な取り組みを行っており、重要な成果がいくつも生まれつつあります。特に院生や歯科医師の企業研究所インターンや共同研究を実現する、人材育成のハブ的な役割も担っています。

4.数理データ歯科学研究
 医療情報室には病院内で生じた様々な事態がリアルタイムに集積します。現在リアルタイムに集積するデータを活用することで本院のスマート化を計画しています。さらに医療情報から数十人、数千人の患者様の標準的な情報を推定し、患者様個人の情報だけではなく疾患群としてメタな治療を実践できる環境を構築します。これにより、院内の様々な科や部、さらに研究室とも連携してデータに基づいた歯科医療の革新、例えば、疾患発病の予測や、病態変化のシミュレーション手法の開発を行います。

5.次世代のデジタルデンティストリー推進
 近年、歯科治療はデジタル化が進み、かつて手作業だった印象採得や補綴装置製作が機械化されています。また、口腔内写真やレントゲン画像もデジタル画像として保管が可能になりました。医療情報室では、患者様の治療に関わる医療情報をデジタルデータとして蓄積しており、院内の各診療科と各部門をネットワークで繋ぎ情報を共有しています。医療情報の活用とデジタル技術を融合することにより、これまでの歯科治療をアナログからデジタルに置き換えるだけではない、よりよい歯科治療の提供をサポートします。