―歯髄保存療法の適応拡大、歯の寿命延伸へ期待―


 歯学部附属病院の高橋雄介講師、当研究科の黄海玲特任研究員、林美加子教授らの研究グループは、う蝕に継発する可逆性・不可逆性歯髄炎の病態解明に取り組みました。その結果、う蝕の進行に依存して歯髄内に特徴的な分子(マクロファージ)の発現を認め、可逆性歯髄炎および不可逆性歯髄炎のラット動物実験モデルの確立に成功しました。

 従来から、う蝕を誘発する動物実験モデルの研究は行われていましたが、う蝕の進行とそれにともなう歯髄炎の発症や進行については解明されていませんでした。 歯髄炎の治療法として、歯髄保存療法が適用されるようになれば、歯の寿命の延伸が見込まれ、ひいては健康寿命の延伸にもつながることが期待されます。

 

本研究成果は、2023年3月13日(月)(日本時間)に米国科学誌「Journal of Dental Research」(オンライン)に掲載されました。