口腔全身連関学共同研究講座の仲野和彦教授および同講座招へい教員である聖隷浜松病院腎臓内科の三﨑太郎部長らの研究グループは、慢性腎臓病患者において唾液中のむし歯菌量が多い群は蛋白尿が有意に多いことを発見し、クロルヘキシジン配合マウスウォッシュを用いてうがいを行うことで、口腔内に存在するむし歯菌が減少するとともに、蛋白尿の改善へとつながる可能性を示しました。
近年、むし歯菌と慢性腎臓病の原因疾患の一つであるIgA腎症との関連が報告されていますが、マウスウォッシュを用いたうがいを行うことによって、口腔及び全身の状態にどのような影響を及ぼすかは解明されていませんでした。まだ予備的検討の段階ですが、将来的に、慢性腎臓病患者がマウスウォッシュを用いたうがいを行うことで、むし歯菌の数の減少だけでなく慢性腎臓病の改善にもつながることが期待されます。

本研究成果は、日本医師会が日本医学会との協力のもとに発行する英文総合医学雑誌「JMA Journal」に11月21日(金)9時(日本時間)に公開されました。