
ご自身の進路で、歯学分野へ進もうと思われた理由を教えてください。
「食べること」はみんなにとって必要なことで、おいしいものを食べると幸せな気持ちにもなれます。それを直接支えることができる歯科医師はいい仕事だなと思ったのがきっかけです。
曾祖母の介護を間近でみていたときに、入れ歯が合わなくなったり、飲み込む筋肉が弱くなったことなどによって食べられなくなっていく様子をみていました。だんだんと元気を失っていく様子をみて、口から食べられなくなることは、本人にとっても家族にとってもつらいことなんだと実感しました。
歯科医師として、入れ歯を作ったり、痛みがある歯の治療をしたり、口の動きを良くしたりすることで、食べられないと諦めている人を救うことができたらいいなと思っています。
いま歯学部で学んでいて最も興味がある、面白いと思った研究はどのようなものですか?
口の健康と全身疾患の関わりについての研究です。この分野の研究は多く行われており、最近は、歯周病が糖尿病や脳血管疾患などと関わりがあることなどは一般の人にも知られてきています。このような知識の広まりとともに、口の中を健康にしようという意識が高まっていて、歯科研究と社会とのつながりを感じ興味を持ちました。口の全身との関係性について研究していくことで、もっと多くの人の口と体の健康につながるといいなと思います。
現時点で、卒業後はどのような進路を考えていますか。
補綴治療や嚥下について学ぶことで、「咬みにくさ」や「飲み込みにくさ」を解消し、食べられる喜びを患者さんに感じてもらえるような治療をしたいと考えています。
また、歯科には認定医や専門医という制度があります。阪大歯学部附属病院のような大きな施設で仕事をしながら、勉強していくことで認定医や専門医を取得することができます。専門医を取得することで、患者さんから信頼してもらえるだけでなく、普通の歯医者さんでは治療できないような患者さんでも、専門性を持った質のいい治療ができるようになります。
私は、大学病院で専門医を目指して働くことで、患者さんに一人一人に、自信をもって満足のいく治療ができる歯科医師になりたいと考えています。
大学生活で、勉学以外に楽しんでいる趣味やサークル、クラブがあれば、おしえてください。
医歯薬剣道部に所属しています。医歯薬の部活は、歯学部生だけでなく、医学部や薬学部、工学部など様々な学部の人が所属することができるので、交友関係を広げたい人におすすめです。
受験の時はどのような方法で勉強をしていましたか。また、歯学部を目指す受験生にアドバイスがあればお願いします。
私は、少しでもわからないことがあれば、その日のうちに先生に質問しにいって疑問を解消するようにしていました。先生のもとに通うことで仲良くなり、良問を紹介してもらえたり、自習したものの添削をしていただけたりする機会にもつながったことが良かったと感じています。
私は、受験勉強の内容自体は大学にはいってから必要ないのではないか、と勉強が嫌になることもありました。しかし、実際に歯学部で勉強してみると、生物や英語などは、受験勉強の知識が役に立ったと感じることが多くあります。歯学部では、学年ごとの試験や国家試験など、クリアしなければいけないテストも多いので、受験勉強を通して自分の勉強スタイルを確立しておくことで、大学での勉強にも生きる部分が多いと感じています。
受験勉強中はつらい思いをすることも多いと思いますが、大学生活を楽しむ自分を想像して、頑張ってください!