大塚 ゆりさん (2025年インタビュー時 5年生)

高校生の頃、矯正治療を受けていた際に、器具の影響で歯茎が腫れてしまったことがありました。そのときは強い痛みが続き、日常生活にも支障が出るほど大変でした。この経験から、歯の健康がどれほど生活の質に関わるかを身をもって実感しました。それ以来、歯科医療の分野に興味を持つようになりました。
臨床工学技士や臨床検査技師、工学系の学部など、さまざまな進路で悩んだ時期もありましたが、「本当に自分がやりたいことは何か」を改めて考えた結果、歯学部を選ぶことに決めました。

4年生の補綴学実習で、人工歯を並べて入れ歯を作る練習をしました。ライターの先生からアドバイスをいただきながら、何度もやり直して形を整えていきました。とても大変でしたが、その分完成した時は達成感を強く感じました。

5回生のとある1日の時間割を紹介します。1限は9時に始まり、1・2限は歯科矯正学の実習を行います。3・4・5限は歯科麻酔学の講義を受けて、6限では医学部の先生の授業を受けたあと、その内容についてレポートを書きます。授業が終わった後は、18時から22時まで塾講師のバイトへ。帰ってくる頃にはさすがに疲れを感じることも多いですが、充実した1日を過ごせています。
歯学部はテストの数が多く、日々の学習量も多いため、友達同士で助け合うことが欠かせません。わからない部分を教え合ったり、情報を共有したりしながら、みんなで乗り越えています。

箕面市の一般吹奏楽団に所属し、トランペットを吹いています。和気あいあいと練習する雰囲気が心地よく、週に1度の合奏日が待ち遠しいほどです。団員のほとんどは社会人なので年齢層も幅広いです。良い意味で上下関係は無く、音楽を通してみんなが1つになれる感覚が好きです。

吹奏楽団での活動の様子

口唇口蓋裂の治療は、生まれた時から約20年もの長い期間にわたって行われると知り、強く心に残りました。見た目や発音、食事など人生に深く関わる部分をサポートできる歯科医療はすごいと思いました。
歯学部では、人工歯を削ったり、義歯や矯正装置を作ったりと、実習を通してさまざまな技術を学びます。こうした将来に直結する実践的な学びができるのは、歯学部ならではの大きな魅力だと感じています。

歯学部は”歯科医師になりたい”という思いを現実に変える第一歩が踏み出せる場所です。
模型実習でタービンを使って歯を削ったときや、印象材で歯型を取ったときなど、自分が歯科医師に近づいているという実感が湧いて、とてもワクワクします。
歯学部では学ぶ内容が幅広く、入学後も多くの知識を吸収する必要があるため、高校のうちから基礎科目をしっかり固めておくことが大切だと思います。あわせて、歯科医療への関心を高めておくことで、学ぶモチベーションがより強くなると思います。

将来は、地域の人たちにとって身近で頼れる歯科医師になりたいと思っています。実際の臨床を通して幅広い症例を経験しながら、一人ひとりの患者さんと向き合い、丁寧な治療を行っていきたいです。