オートファジーをはじめとする細胞内栄養代謝の感知機構の解明
我々ヒトを始めとする従属栄養生物は、外部から栄養分をとりいれ、それをエネルギーや自らの構成成分の部品として利用することで生きています。また 栄養供給が途絶えたときには、細胞の中でオートファジーという自らの一部分を分解する現象がはじまり、そのことにより、その危機的な状況を乗り越えています。このように、細胞は栄養の有無を敏感に感知する仕組みが備わっているものと考えられますが、実際はその具体的な仕組みについては不明な部分が多く、生命科学に残された課題となっております。私たちはこれまで、オートファジーの制御機構の解明から、アミノ酸などがTORC1などの制御因子に感知される仕組みの解明に取り組んできました。
古くて新しいオートファジーの研究
私達はこれまでオートファジーの研究に取り組んできましたが、実はそれはオートファジーの一部、マクロオートファジーの研究です。オートファジーはこれとは全く異なるミクロオートファジーが存在します。マクロオートファジーはこの20年間で莫大な研究がされてきましたが、ミクロオートファジーの研究は極めて限られています。私達はその仕組の解明に取り組んでいます。