大阪大学歯学部は、昭和26年(1951年)4月、旧帝国大学系では始めて、医学部とは独立した学部として創設されました。爾来、日本のみならず世界の歯科界を牽引するリーダーを育成することを目指して、最高水準の歯学教育を提供することを責務としています。World-leading dental schoolである大阪大学歯学部での学びは、卓越した歯科医師ならびに歯科医学研究者として活躍できる輝かしい未来に繋がります。

口腔から全身を眺める歯科医学教育

近年、歯周病や齲蝕が、糖尿病などの全身疾患の発症や病態に深く関与していることが明らかになっています。また、咀嚼や嚥下の口腔機能の低下により誤嚥性肺炎などを引き起こされ、口腔の衛生状況が生命を脅かす場合も少なくありません。さらに全身的基礎疾患を持たれる患者さんの歯科医療を行う機会も増加の一途で、これまで以上に全身を理解できる歯科医師が必要とされています。このような課題を解決するために、大阪大学歯学部は、開学以来、全身を念頭に置いた歯科医学教育をスローガンとしており、さらには口腔から全身疾患を見据えた歯科医学も充実させています。

口腔を科学する歯科医学の実践

未曾有の超高齢社会を迎えた我が国では、歯科医療が大きく変貌しています。歯を “削る”、“詰める”、“抜く”、旧来の歯科治療に留まらず、再生医療を始めとする21世紀の歯科医療が訴求されています。大阪大学歯学部では、基礎歯科医学と臨床歯科医学に加えて、最新の細胞生物学、分子生物学、発生学、遺伝学、バイオマテリアル学を取り入れて、遺伝子、分子、細胞、そして生体のレベルで歯科医学を理解できる素養を涵養し、先端的な歯科医療を展開できる医療人および研究者の育成を目指しています。

歯学部長 西村 理行