教室からのメッセージ

「癌は切って治すもの」と思い込んでいませんか?
 口腔とくに舌は、咀嚼・嚥下・発音・味覚など多くの機能と関係していますので、これらの機能を温存するために放射線が癌治療の第一選択となる場合が少なくありません。
 私たちの施設には歯学部附属病院で唯一の外部放射線治療装置リニアックが導入されており、口腔癌や頭頸部癌の患者さんの治療に使われています。さらに、非常に小さな放射線の線源で癌の部分だけを直接照射する最も進んだ方法である遠隔操作式小線源治療装置を使用して効率の良い治療をおこない、それらの臨床的研究も盛んにおこなわれています。
 「レントゲン無きところに医学無し」と昔から言われています。歯科の領域では歯や顎骨などの硬組織を扱っていますためエックス線画像診断は必要不可欠なもので、これは今も変わりません。しかし、口腔や顎顔面を対象としている本学部では、これらの硬組織のみならず筋肉、血管や粘膜などの軟組織の診断をする必要があります。これらを総合的に診断する画像システムが2000年までに導入され、現在では1.5テスラ(15000ガウス)超伝導型磁気共鳴画像検査装置(MRI)やリアルタイムに三次元画像が作成できるマルチディテクタ型のヘルカルコンピュータ断層装置(CT)を始めとした最新鋭の機器を利用し、診断や研究に応用しています。
 また、放射線障害・装置、機器に関連した診断学の基礎となる研究や画像解析などにコンピュータを利用した研究がなされ、放射線生物学の分野においては、放射線治療の基礎となる口腔諸組織や癌細胞に対する放射線の影響に関する問題を培養細胞などの実験系を用いて基礎的に検討しています。

スタッフ

職名氏名E-mail(@以下はdent.osaka-u.ac.jp)
教授村上 秀明shumei@
助教笹井 正思sasai@
助教内山 百夏
助教島本 博彰 
助教辻本 友美 

研究課題

1. MRIスキャナを用いた被曝のない非侵襲的な診断に関する研究
2. fMRIを用いた口腔機能の脳マッピング
3. 口腔癌の放射線治療に関する臨床的研究
4. CTを用いた顎顔面三次元計測