―DNA設計図に基づく骨の発生機構の理解に向けて―

口腔分化発育情報学講座の大庭伸介教授(研究当時:東京大学大学院医学系研究科附属疾患生命工学センター准教授、長崎大学生命医科学域(歯学系)教授)、東京大学大学院医学系研究科附属疾患生命工学センターの北條宏徳准教授、鄭雄一教授、米国南カリフォルニア大学のアンドリュー・マクマホン教授をはじめとする国際共同研究グループは、骨組織を構成する主要な細胞である骨芽細胞と軟骨細胞の発生機構の一端を解明しました。

骨の発生には遺伝子発現を制御するタンパク質Runx2が必要であることが以前から分かっていましたが、Runx2がゲノムDNAのどこに・どのように作用するのか、その制御機構は十分に分かっていませんでした。本研究グループは、次世代シークエンサー解析、マウス遺伝学に加えて、ゲノム編集技術と一細胞解析を融合した最新の解析技術を駆使することで、Runx2を介する骨芽細胞と軟骨細胞の遺伝子発現機構の一端を明らかにしました。本結果は、骨発生メカニズムの理解と新たな骨再生戦略の確立へと発展することが期待されます。

本研究成果は、2022年9月6日(米国東部時間)に米国科学誌「Cell Reports」のオンライン版に掲載されました。