タイでの海外派遣プログラムを通して広がった視野と高まった学習意欲

冨永 侑希 (令和7年度 3年生)

 今回のプログラムでは、私たちはタイのマヒドン大学で5日間の研修を行いました。1日目は大学紹介やメインクリニックの見学、2日目は口腔外科診療の見学と講義、3日目は歯肉縁下プラークの分離・同定の実習、4日目は口腔病理学の実習、そして最終日は下顎小臼歯の根管治療の実習を見学しました。それぞれの日程で異なる学年と交流し、短期間ではありましたが多くの経験を積むことができました。

  今回私がこの研修に参加した目的は、タイと日本の歯科医療、教育の違いを比較すること、また英語でのコミュニケーションに慣れること、の2点でした。私はまだ3回生で臨床の講義が始まっていないため、実際に授業で習ったことがあるのは3日目と4日目の内容だけでした。そのため、1日目からの見学や説明では知らない専門用語も多く、英語でのコミュニケーションに苦労しました。しかし、マヒドン大学には日本語を話せる先生方や学生、さらには患者さんまでいて、最初の緊張はすぐに和らぎました。質問をすると親身に答えてくださり、分からないことを恥ずかしがらずに積極的に聞けたことは大きな経験でした。

 診療見学で最も印象的だったのは、タイでは5年生から治療に携わることができる点でした。学生が診療に加わることで治療費が安くなる仕組みがあり、日本との制度の違いを強く感じました。また、根管治療の実習で天然歯を使用していたことも新鮮で、人工歯を使う大阪大学とは異なり、実際の歯ならではの根管形態を学べる環境は非常に恵まれていると感じました。

 さらに、診療中に学生が自由に写真や動画を撮影できる点にも驚きました。日本では講義スライドの撮影が禁止され、資料も一部が加工されているため、症例を学べる機会は限られます。一方、タイでは診療を記録として残せるため、後から復習することができ、学習効率の高さを実感しました。

  今回のプログラムを通して、多くの知識や経験を得ただけでなく、学習意欲そのものが大きく高まりました。これまでは「英語名は試験に出たら覚えればいい」と考えていましたが、マヒドン大学の学生は英語で疾患や治療法を分かりやすく説明してくれました。これは知識を深く理解し、さらに英語で伝える力がなければできないことです。その姿を見て、彼らこそが世界で活躍できる歯科医師になるのだと強く感じました。私自身も彼らのようになれるよう、これからの学びに真剣に取り組み、努力を続けていきたいと思います。