石田 真輝さん (2026年インタビュー時 5年生)


私は幼少期から歯が悪く、よく歯医者に連れて行ってもらっていました。前歯がほとんど溶けていたため、人工歯を先生にプレゼントしてもらい、サホライドという黒色の虫歯の進行を抑える薬を塗られていたくらい、悪い状態でした。食事も食べにくく、何よりも痛くて辛かったのを覚えています。ですが、担当の先生の治療と家族のサポートにより、少しずつむし歯が抑えられ、おかげで永久歯に影響が出ずに済みました。今思えば、治療によって生活の質が変わるということを実感する良い経験だったと思っています。
この経験から、「生活の質に直結する歯や口の健康を守り、今度は自分が誰かの生活を支える側に立ちたい」と思うようになり、歯学部を志望しました。


入学する前は歯医者はドリルで歯を削っているイメージが強く、工作をしているみたいで楽しそうだな、としか思っていませんでしたが、いざ入学して実習をすると、思った以上に工程が複雑かつ繊細な作業が必要だと実感しました。特に私が難しいと思ったのは、アルジネート(歯の型をとるピンク色のあれです)の取り扱いや、セメントの練和です。これらはドリルを使わないので歯の治療としてはあまり目立つことはないですが、実は結構細かい手さばきが必要であり、かつこれらの精度によって最終的な完成形の精度が大きく左右されるため、非常に大切な工程だと思っています。
個人的には抜歯や癌、顔の外傷の手術といった外科的治療は、原因や疾患がはっきりしているため、手術の最終目標を立てやすいこと、そして何よりも達成感が大きく、とてもやりがいのある楽しい分野だと感じました。


私は今5年生なので、5年生の月曜日の時間割を紹介します。授業は9時から始まり、矯正科の実習が1・2限、麻酔科の授業が3・4・5限、医学部の講義が6限にあります。お昼休みは1時間ありますが、思ったよりすぐ終わります。私は月曜日は塾講師のバイトがあるため、授業終わりにそのままバイトに向かい、家に帰るのが大体21時ぐらいです。私はバイトの時間が短い方で、友達には私以上の猛者がゴロゴロいるのがすごい所です。テストはとても多く、また5年の夏には大きな学力試験も控えているため、友達と勉強会を開いたり、問題をつくり合ったり、情報を共有したりと、みんなで留年することが無いように頑張っています。


歯学部のバドミントン部とスキー部、全学部の探検部に所属しています。バドミントン部は2年生から入部しました。運動が苦手なので、最初はなじめるか心配でしたが、先輩たちがとても優しく迎えてくれました。スキー部では2年前、部長を務めていました。探検部は山岳部のようなもので、私が最も積極的に活動した部活です。残念ながら4年制の学部対象の部活であるため去年引退しましたが、おかげで歯学部のみならず様々な学部の友達ともつながることができ、たくさんの思い出をつくることが出来ました。趣味はもちろん登山、車を運転するのも好きです。

探検部の仲間たちと

授業や実習で学んでいると、本当に歯のわずかな形態の違いで「しっかり噛めるか、噛めないか」、「痛いか、痛くないか」を左右することを知り、歯や口腔の繊細さと歯科医療の精密さに驚きました。ミリ単位の調整で患者さんの生活が変わるという事実は、まさに「歯科医療ってすごい!」と感じる瞬間でした。また歯周病が糖尿病や心血管疾患と深く関わることを学び、口を診ることは全身を診ることにつながるということ、つまり歯以外の疾患も発見することが出来るという歯科医師の可能性には驚きました。


まだしっかりとは決めていませんが、口腔外科領域に興味があります。卒業後も大学に残り、普通の歯科医師にはできない専門性の高い技術を学び、少しでも大学に貢献することが出来ればと考えています。


歯科医師の唯一無二で最も面白いところは、自分の手で歯を削り、形を作り、失った機能を回復することが出来るという点です。自身の直した歯によって、患者さんの喜んだ姿を見ることはとても大きなやりがいにつながると思いますが、同時に自分の実技に患者さんの予後が大きく左右されるとも言えます。その実技をきちんと学び、訓練するのが歯学部であり、すばらしい歯科医師になるための最も確実な近道になると思っています。阪大歯学部は全国でもトップの学力が必要な歯学部なので、受験までとにかくたくさん勉強するのが一番だと思います。