【歯科保存学】 
QOLに配慮しながら歯の機能の維持をめざす

マネキンを使用した臨床シミュレーションを行い、歯科治療における重要な手技を身につけます。

歯科保存学では、歯の保存と修復(詰めもの)に関する理論と実践的なスキルを学びます。講義では、歯や歯のまわりの組織の解剖から病気の原因・病態・診断と治療法まで、歯の健康と病気のメカニズムについて詳しく学びます。また、削った歯の修復方法や歯髄(歯の神経)に対する処置についても学習します。近年の研究成果や治療ガイドラインについても情報を提供し、最新の治療法や研究の動向に関して深く理解してもらえるように配慮しています。実習では、むし歯の除去や根管治療など実際の治療プロセスを、マネキンやプラスチック模型を用いて臨床に近い環境で体験します。また、歯の修復のための材料やテクニックについても学び、症例に応じた歯の修復方法を習得することができます。

 


【ある日の実習の様子】
この実習では、むし歯を削り修復物を作製するための「型取り(印象採得)」を行いました。印象採得は患者の歯や組織の形態を正確に記録するための重要なステップです。材料を適切に混ぜたり、トレイ(型取り器具)を正確に装着したりといった基本的な手技や道具の使い方を、実際に手を動かして身につけます。また、患者の快適さや安全性を確保するための配慮やコミュニケーションの重要性についても学んでいきます。





【教員からのコメント】
歯科治療は、歯というきわめて小さい構造を対象に行うため細かい作業が多く、正確な手技と技術の習得が必要不可欠です。実習で模型やシミュレーションを通じて繰り返し練習することで、実際の治療に自信をもって臨めるよう実践的なスキルを身につけることができます。また、実際の患者さんの症例をもとに自ら課題を見つけ、文献を調べてプレゼンテーションする機会も設けており、「問題を自ら発見し解決する能力」を養うことができるよう配慮しています。